社会福祉法人恩賜財団 済生会福岡総合病院 MSW 大輪 里絵

 当院は380床の福岡県福岡市中央区に位置する地域医療支援病院であり、福岡地区3次救急医療機関(救命救急センター)、地域がん診療連携拠点病院など5つの指定を受けています。2016年度平均在院日数は10.1日、救急車搬入数は4320台、病床利用率は84.2%であり、毎日多くの方が診療を受けに来院されます。

1.当院の社会福祉事業について

 済生会の歴史は明治44年、明治天皇が時の総理大臣 桂太郎を召されて「恵まれない人々のために、施薬救療し、済生の道を弘めるように」との済生勅語に添えてお手元金150万円を下賜されたことに始まります。桂総理はこの御下賜金を基金として全国の官民から寄付金を募って済生会を創立しました。
当院は社会福祉法第2条3項に基づく社会福祉法人の医療機関として診療を行っています。主な事業・活動は無料低額診療、生活困窮者支援なでしこプランです。
【無料低額診療事業】
社会福祉法人恩賜財団済生会の社会的使命として、低所得者や生活困窮者について一定の基準を満たす方々に対して、診療費の自己負担分の減額免除の相談を受けています。
【なでしこプラン】
地域に出向き訪問健診などアウトリーチ型での生活困窮者支援を行っています。事業内容としては、ホームレス巡回健康相談、ホームレスインフルエンザ予防接種事業、更生保護施設健診事業等があります。

2.退院支援の取り組みについて

 7名のソーシャルワーカーが在籍しており、病棟担当制で支援を行っています。2017年10月から、新たに看護師を1名から4名に増員し、ソーシャルワーカーと看護師が一緒に退院支援を行うようになりました。これにより、退院支援の際に看護の視点が加わり多角的な視点から退院支援を行えるようになりました。
主な業務としては、退院支援、医療費の相談、介護保険に関する相談、その他社会制度に関する相談等です。かかりつけ医や医療機関、行政等と連携し、患者さんに安心して地域で暮らし続けていただけるように日々相談支援を行っています。退院支援に関しては、退院支援専任の看護師、専従のソーシャルワーカー、病棟看護師、退院支援職員が毎日退院支援カンファレンスを開催し、患者さんへの早期介入・必要な支援が行えるよう努めています。

3.がんに関する相談(がん相談支援センターの活動)

 2016年12月にがん相談の質が一定以上と評価された施設として「認定がん相談支援センター」の認定を受けました。現在、専従のソーシャルワーカーを配置して、入院・外来患者さんのがん相談・緩和ケアに関しての相談支援や、他のがん診療連携拠点病院と協力して相談研修の企画・運営に携わっています。今後更に発展させていく予定です。
当院は、福岡県下の医療の中核として、地域に密着した医療活動・福祉活動を推進しています。今後も当院の理念である「地域社会の皆様や先生方に信頼され、真の満足をしていただける病院作り」を目指して、より高度で細やかな医療を提供していきたいと考えています。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

 


社会福祉法人恩賜財団 済生会福岡総合病院

〒810-0001 福岡市中央区天神1-3-46

TEL : 092-771-8151

 

 

                                             平成30年1月1日現在