当院はかかりつけ医(紹介医)と病院担当医が協力して最善の医療を提供する、いわゆる紹介型・共同利用型病院形式の2次病院として1986(昭和61)年に開院しました。主な診療科目は内科、腎臓内科(人工透析)、外科、放射線科です。2000(平成12)年には福岡県初の地域医療支援病院の承認を受け、宗像地域における急性期病院としてのみならず、新型インフルエンザ対応病院、災害時の福祉避難所設置病院等、地域の皆様や地元自治体にとって身近で頼りになる病院としての役割が果たせるよう、日々努力を続けています。現在の病床数は164床、地域包括ケア病棟(36床)と緩和ケア病棟(12床)を有しています。また、今年は10年ぶりに小児科病棟も再開する予定です。併設の施設としては、健診センター、介護老人保健施設「よつづか」、訪問看護ステーション、ケアプランサービス、在宅医療連携拠点事業室、病後児保育施設があります。
私が所属する地域医療連携課は、部長(内科部長)のもと、ソーシャルワーカー3名、退院調整看護師3名、クラーク1名、計7名で日々の業務に携わっています。病診・病病連携、地域の窓口業務に関しては、医師会立の病院なので、医師会会員の先生方から求められる連携の期待度も高く、きめ細やかな対応ができるよう心掛けています。
相談業務の多くを占めるのは、退院支援業務です。退院支援加算1の施設基準を届出ており、各病棟をソーシャルワーカーと退院調整看護師が正副ペアで担当し、それぞれの専門的視点を生かした介入が可能な体制をとっています。宗像・福津地域は、訪問診療・訪問看護・訪問薬剤等、医療系サービスが積極的に在宅での療養を支援し、ケアマネジャーを中心にサービス間の連携が取りやすい地域です。併せて、当院を含めた地域の医療機関がバックベッド・レスパイト・緩和ケアで在宅療養の安心を支えています。「帰るところが宗像・福津で良かったね!」その声を常に実現できるよう、病院から地域、地域から病院へのスムーズな橋渡しに取り組んでいます。もちろん退院支援だけではなく、院内外の関係機関・関係職種とも密な連携を図りながら、虐待や身寄りのない方の事例等、様々なケースにも対応しています。
なお、ソーシャルワーカー3人はいずれも大学を卒業して最初に当院に入職し、転職せずに当院で働き続けております。正式に採用された3人が3人ともです。「井の中の蛙」しかいません。しかし、3人を取り巻く環境は医療情勢、社会情勢の変化に伴い幾度となく変わりました。できるだけしなやかに環境の変化、役割の変化に対応しながら、「大海」は知りませんが、少々のことには動じない強さを持つようになりました。…「されど空の蒼さを知る」…の境地に辿りつけるか、これからも協力して頑張っていきたいと思います。
令和2年4月1日現在