一般財団法人平成紫川会 小倉記念病院 MSW 長嶋 史門

1.当院について

 当院は今年で創立103年を迎えます。大正5年6月に「私立小倉記念病院」として北九州市の宝町という場所で開業されました。宝町はもう地名は残っていませんが現在の小倉井筒屋の辺りです。その後昭和23年に社会保険病院となり、昭和45年に小倉北区貴船町に移転。平成22年12月に小倉北区浅野に新築移転しました。現病院は小倉駅北口から屋根付きの動く歩道で繋がっており、雨が降っても傘をささずに病院に来ることができます。診療体制は一般病棟のみ656床、16病棟、27診療科、平均在院日数10日です。診療科の中で循環器内科は全国的に注目されています。また北九州の地元企業とのコラボレーション企画があり、シャボン玉石鹸とのハンドソープや後藤醤油とのドレッシングの開発、プロサッカーチームギラバンツ北九州と共同で行う市民公開講座などがあります。最近はTVなどメディアへの露出も増えています。これらの情報は画像付きで当院のホームページに載っていますので是非一度アクセスしてみてください。

2.医療連携課について

わたしが所属する医療連携課は北九州市ではじめて設置された連携室です。当時の延吉正清院長は開業医や慢性期医療を提供する医療機関との連携に注目し「これからは地域連携」と豪語していたと聞きます。「医療連携会」も北九州で最初に開催したのは当院だったそうです。連携室設立時のMSWは1人でした。その方は現在も部門を変えて病院内で活躍されています。その後二人体制を経て、平成18年にわたしと同僚が入職して4人体制となり、現在は5人体制です。現メンバーは新卒の新人1名とMSWとしての経験10年以上が3人、在宅介護支援センターや回復期リハビリテーション病棟など他分野の経験を有する者が1名です。2020年1月からはパート枠で1人増員となります。連携室の場所は病院の新患受付の向かい側にあるガラスの扉の部屋です。中に入ると前方連携、後方連携、クオリティマネジメント科(認定看護師の部署)それぞれの部門に分かれていて、1人1台の電子カルテの入ったパソコンが使えるようになっています。部署の雰囲気は賑やかでプライベートな話からケースについての相談など様々な会話が飛び交っています。

3.業務について

業務の8割は病棟での退院支援です。残りの2割は外来患者への相談支援、問い合わせの対応などです。退院支援加算1の施設基準に準じて1人で2病棟を担当しています。退院調整看護師5名とMSWと合わせて10名で全病棟に介入しています。急性期一般病棟という特徴から短期間で支援を展開する必要があります。転院調整の数が最も多いですが、在宅復帰の調整も行います。患者、家族の意向や目的を尊重し、生活を支援するため、時には時間をかける必要があって患者、家族と他職種との間に板挟みになって四苦八苦することもあります。そのような意味ではMSWを続けるには柳のようにしなやかな心を持つことが大事だと思います。わたしたちMSWのストレスチェックの判定はいつもよく、そのようなしなやかな心、タフな心を持ったワーカーが集まっています。仕事が終わって病院を出ると小倉港の海、対岸に日本製鉄の工場、手前には「あさの汐風公園」があって芝生で運動している人やダンス、スケートボードの練習をする人、ホームレス状態の人などがいます。5時に退勤できれば夕日、日が沈んでいれば工場のイルミネーションを見て帰路につくことができます。仕事は忙しいですが、仲間と環境に恵まれた素晴らしい職場です。

 

 

 

一般財団法人平成紫川会 小倉記念病院

〒802-8555 北九州市小倉北区浅野3丁目2−1

TEL : 093-511-2000

 

令和2年1月1日現在