日本赤十字社 嘉麻赤十字病院 MSW 朝香 淳

1.当院について

嘉麻赤十字病院は、日本赤十字社の91ある病院の中の1つとして、災害時には医療チームを派遣し現場で救護活動にあたるなど、赤十字の特色を生かしながらさまざまな活動を通じて社会貢献しています。

 当院は、飯塚医療圏(嘉麻市・飯塚市・桂川町)に属し、嘉麻市の南部に位置しています。昭和13年日本赤十字社福岡県支部山田診療所として発足して以来、約80余年地域の住民に愛され信頼されてきました。昭和57年に現住所へ病院移転し、現在、急性期一般病棟(30床)、地域包括ケア病棟(55床)、特殊疾患療養病棟(48床)を有する計133床のケアミックス病院として地域医療を担っています。また、当院は地域の需要に応じて在宅療養支援病院という機能を選択し、デイケアセンター・訪問看護ステーション・ケアプランセンター・定期巡回随時対応型訪問介護看護ステーションを併設するなど、「地域包括ケアシステム」の実現を目指しています。

 平成27年には、地元医師会と市町村が主体となり、地域包括ケアシステム推進協議会が発足され、人口の集中する場所、社会資源の設置状況、中学校区等が勘案され、医療圏が5つのブロックに分けられました。そのうちの1つのブロックである嘉穂・山田地区の医療・介護連携拠点病院として、顔の見える関係の深化、住民も含めた多職種連携、医療・介護連携の強化・災害時の連携体制の構築等の地域課題の解決に向け積極的に取り組みを行っています。

 

2.医療社会事業部について

 私が所属する医療社会事業部は、部長(看護部長)の下、医療社会事業課長(看護師長)、医療社会事業係長(社会福祉士)、ソーシャルワーカー1名、退院調整看護師1名、介護支援専門員1名の計5名が連携業務と患者支援に携わっています。当事業部では在宅療養支援病院としての機能を十分発揮できるように、地域医療支援病院からの転院(ポストアキュート)相談を、相談を受け付けて3日以内に受け入れることを目標に調整しています。また、介護施設や地域の開業医の先生方からの相談(サブアキュート)には、ニーズに応じた柔軟な対応ができるよう、前方連携にも積極的に取り組んでいます。円滑な前方連携は、院内の良好な関係性なくして成り立ちません。日頃より院内の他部署とのコミュニケーションを意識的に図るようにし、他部署からの相談にも親身に対応していくよう心掛けています。

退院支援に関しては、「ときどき入院・ほぼ在宅」を合言葉に、多職種で連携を図りながら行っています。厚生労働省の定める各種意思決定支援に関するガイドラインに基づき、本人・家族の意思を尊重した退院支援を丁寧に行うことを常に意識し、医療者主導の支援にならないよう退院支援にあたっています。

 当院でご協力できることがございましたら遠慮なく連絡いただければと思います。今後とも、嘉麻赤十字病院をよろしくお願い致します。