社会福祉法人 恩賜財団 済生会大牟田病院 MSW 浦 正太

1.当院について

当院は、昭和8(1933)年に恩賜財団福岡県済生会大牟田診療所として開設され、現在は一般病棟147床、回復期リハビリテーション病棟49床、計196床で運営しています。明治天皇から賜った済生会の理念を基本に、90年近く大牟田・有明地区の中核病院として地域住民の皆様への医療を提供してきました。

 当院が所在する有明二次医療圏は御多分に洩れず人口が減り続け、大牟田市の高齢化率は全国平均を大幅に上回っています。このような社会環境の中、地域医療体制の充実に貢献するため、有明地区の二次救急病院としての救急医療、災害医療、最新医療機器による、がんや各種疾病の早期発見・早期治療はいうまでもなく、より質の高い医療を提供し、急性期医療の充実に努めています。また、60名近いリハビリスタッフが在籍し、脳血管疾患や運動器疾患はもとより、がん、呼吸器、心血管疾患を持つ患者様にも集中的なリハビリテーションを実施しています。回復期リハビリテーション病棟では、できるだけ早期に自宅や社会に復帰していただけるよう356日体制でリハビリを提供しています。訪問・通所リハビリテーションも行っており、退院後のフォロー体制も整っています。

 また併設している「介護老人保健施設大牟田ライフケア院」や「訪問看護ステーションなでしこ」等の在宅介護医療分野と、有機的かつ強固な連携協働を行い、常に地域住民の皆様に親しまれ、信頼され、選ばれる病院を目指しています。

 

 

2.生活困窮者支援事業「なでしこプラン」

済生会では創立の理念「施薬救療」に立ち返り、無料低額診療事業の対象者のみならず、医療・福祉サービスにアクセスできない人々の医療・福祉等の増進を図る為、なでしこプラン(済生会生活困窮者支援事業)を法人全体で積極的に展開しています。当院では、健康相談・栄養相談・生活相談支援事業等を行っていて、他にも近隣の医療機関・施設スタッフ等を対象とした研修を企画運営したり、行政・民生委員・医師会・施設等に向けて生活困窮者支援(無料低額診療)事業の周知活動を行っています。

 

 

3.無料低額診療事業

社会福祉法人である当院は、社会福祉法第2条第3項に基づき、生計困難者が経済的な理由で必要な医療を受ける機会が制限されることのないように、医療費を減免できる無料低額診療事業を実施しています。安心して医療を受けていただくよう医療ソーシャルワーカーが相談に応じています。

 

 

4.地域医療連携室について

現在、医療ソーシャルワーカー3名、看護師1名、事務職員1名の計5名のスタッフが在籍しています。地域医療機関からの紹介患者様をスムーズにお受け入れするための調整や転院相談、問い合わせ等、地域医療機関の先生方と当院をつなぐ連携の窓口としての役割を担っています。また外来通院中や入院中の患者様やご家族様からの医療的、社会的、経済的問題へのご相談に応じ、問題解決への助言、解決、調整を行い、安心して療養生活が過ごせるよう支援を行っています。退院支援では、早期から多職種で患者様の退院に向けたカンファレンスを行う等、情報や支援計画を共有し、住み慣れた街で安心して生活していただけるようサポートしています。また、必要に応じて家屋調査や退院前カンファレンス等を行い、在宅関連スタッフと連携を図り、退院に向けて切れ目のない支援やサービスの提供を行っています。

「困った人に手をさしのべる」という当院の理念を基に、地域医療連携室一同、患者様、家族様に寄り添った支援を心がけています。今後ともどうぞよろしくお願いします。