在宅療養支援診療所 ここはる MSW 帆足 亜矢子

1.当院について

当院は、2020年5月1日に福岡市城南区南片江にて在宅医療に特化したクリニックとして開設され、連携機能強化型在宅療養支援診療所として24時間365日体制にて日々診療をいたしております。医師は常勤4名、非常勤2名が在籍し、MSWは3名、事務6名のスタッフで地域の関連職種の皆さまと連携を図りつつ、患者様、ご家族の在宅療養を支援させていただいております。当院では、医療的ケアの必要な小児から終末期ケア、神経難病など多岐に渡る患者に対応しており、医師の専門性を生かしつつ、その方らしく住み慣れた自宅で日常生活が送れるよう医療提供を行っております。

2.地域在宅ケア相談室について

地域社会での生活、自宅での生活の支援を、患者様、ご家族にきめ細やかに行うため、医療福祉相談窓口を開設しています。在籍する3名のMSWで、患者、家族の主体性、ご意向を尊重しつつ、社会の様々なシステムと連携し、皆様にとって有効な医療サービス、福祉サービス等を活用し、安心した生活ができるよう支援させていただきます。病気に対しての不安はもちろん、経済的な不安、家族や職場などの社会的不安へのサポート、療養環境調整や関係機関との連絡調整など、支援は多岐に渡ります。ひとりで悩まずに、まずはお気軽にご相談いただけたら幸いです。一緒に考え、皆様が望む生活が送れるようご支援できればと思います。

 

3.診療開始までの流れ

①お問い合わせ

まずは電話で気楽にご相談ください。紹介状がなくても大丈夫です。本人、家族、ケアマネージャー、病院や施設の相談員など、どなたからの連絡でも大丈夫です。

②ご相談

MSWが自宅や施設、病院等へ伺い、在宅医療について丁寧に説明させていただきます。当院に来訪いただいても大丈夫です。医療保険や介護保険のこと、また、他の利用可能な社会資源がないか、薬の受け取り方や病院との連携の仕方など説明いたします。

③初回訪問日の調整

本人、家族の希望を伺い、医師が訪問する日時を調整します。連携する看護師やケアマネージャー、ヘルパー等、皆様の予定も考慮して調整させていただきますので安心ください。もし急ぎの診療をご希望の際は、最短でその日の訪問に向け調整いたします。

④訪問診療開始

医師が自宅に訪問し、診療をさせていただきます。その際にMSWも同行いたします。いつも通りの生活で一番楽な状態でお待ちください。

⑤継続支援

訪問診療開始後に定期的にモニタリングをおこない、必要時にその都度ケアマネージャーや訪問看護師等と連携を図りつつMSWとしての継続支援を行います。

 

在宅療養支援とは患者のこれまでの人生を知り、これからの人生を一緒に考え、寄り添いながら望む生活を実現するためのお手伝いのことを指します。この社会に1人として自身だけで生活をしている人はいません。病気や障害があっても、たとえ困難な生活状況に置かれていたとしても、患者及び患者にとって大切な方の生活は日々続きます。私たちは「在宅」の現場で医療と福祉、社会の様々な資源を活用しつつ、そのような日々の日常を支えたいと考えます。住み慣れた家での生活は、聞こえてくる日常の生活の音、大切な方々の声をBGMに、必ずたくさんの力を与えてくれる「居場所」となると患者、家族の支援を通して日々感じています。「さあ、家に帰ろう。これからも大切な人と一緒に生きていこう」を合言葉に、地域の皆さまが安心して生活できる社会資源になるという当院の理念を実現できるよう、地域の皆さまの力をお借りしつつ邁進してまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。