社会医療法人北九州病院 北九州八幡東病院 MSW 藤好 正和

1.地域と北九州八幡東病院について

 北九州八幡東病院がある北九州市は九州地方で福岡市に次ぐ規模の都市で、高度経済成長期に門司・小倉・戸畑・八幡・若松の五市が合併して発足した政令指定都市です。現在は7つの行政区にわかれています。九州最北部の玄関口に位置し、その地の利から交通の要衝として栄え、鉄鋼業や製造業をはじめとする工業都市として発展してきました。最盛期は人口100万人を超していましたが近年では100万人を割り込み、年々人口減少が続いています。人口減少に反して高齢化率は28.2%と全国の政令指定都市の中で最も高齢化が進んでいる都市でもあります。

 八幡東地区は7つの行政区の中で2番目に高齢化率が高い地域で、65歳以上の人口比率は33.6%となっており高齢者医療に力点をおいた医療介護が必要な地域です。そのような地域環境の中、当院は昭和35年に八幡診療所として開設されて以降改変を重ね、現在は医療療養病棟220床(内、在宅復帰機能強化病床103床)、介護療養病棟112床、回復期リハビリテーション病棟47床、障害者施設入院病棟101床の計480床を有する市内でも有数の病床数を保持する病院です。JR八幡駅から徒歩5分圏内と非常に交通アクセスが良い場所に立地しています。診療科は内科を主として神経内科とリハビリテーション科を標榜しており、神経内科に関しては専門医が3名常勤で在籍していることから専門外来を開設しており、神経難病の積極的な入院受け入れも取り組んでいます。

 法人としては社会医療法人 北九州病院のグループ病院として北九州市内と近隣市町の北部福岡で8病院と1老健を有しており、その他別法人のグループ病院と合わせると約3,000床の病床数を保有しています。急性期医療から慢性期医療まで幅広く対応するために救急救命センター併設の北九州総合病院を基幹病院とし、回復期病棟、慢性期病棟を有するグループ病院と連携を図り切れ目のない医療を提供するように努めています。その他関連施設として看護学校や健康診断施設、在宅介護部門、サービス付き高齢者住宅を運営しておりまた、小倉南区に介護付き有料老人ホームを来春開設予定で医療から介護まで適切な橋渡しができる運営を心がけています。

 

2.地域医療連携室とMSWについて

 現在、地域医療連携室には連携室室長(医師・副院長)・連携室副室長(看護師)・介護支援専門員2名・医療ソーシャルワーカー(MSW)6名が在籍しています。

 業務内容は外部機関との連携から入退院の支援や受診援助、心理的な支援や社会資源についての対応まで幅広く、それぞれ担当病棟制で院内外を走り回っています。自院の病床数が多く、近隣の連携先医療機関や施設も多岐にわたるため日々の 連携室業務に追われてしまい、ふとMSWの専門性や日々の業務でソーシャルワークの実践や振り返りができているか不安になることがあります。そんなときもスタッフ間や法人内での交流で様々な方達からアドバイスをもらい努めています。

 今後、地域包括ケアシステムの運用や診療報酬改定の内容からもMSWの重要性 がうたわれ、地域や社会において求められる内容も大きくなっています。その中で求められることに対し、応えられる存在になれるよう努力していかなければと思います。

 

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社会医療法人北九州病院 北九州八幡東病院

〒805-0061 福岡県北九州市八幡東区西本町2-1-17

TEL:093-661-5915

FAX:093-662-1383

 

平成28年10月現在